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    • 人事担当者が頭を悩ませる新入社員研修のポイントとは|コラム|新入社員研修


      国内的にも世界的にも大きな企業となると、配属前にほとんどが新入社員研修を行います。

      履歴書で篩にかけられ、面接を切り抜けてきた新人たちだけに、会社としては役に立つ人材と見込んでの採用ですが、どこに配属するかは様子を見ながらやりたいというところも多いでしょう。

      だからといって適材適所への配属を見極めるとなると、よりいっそう重要になり、人事の教育担当者としては絶対にミスはしたくないというプレッシャーから、毎年頭を抱えて悩む時期と言えそうです。

      なぜ新入社員研修を行うのか?


      会社が新入社員研修を行う目的は、会社についてより理解と知識を深めてもらうのはもちろんのこと、社会人としての自覚をはっきり持ってもらうという目的があります。

      企業に就職したからには、甘えが許されいざとなったら保護者に守ってもらえるような学生ではないのだから、社会人としてどうあるべきかを会社の方針に沿って叩き込むと言ってもいいかもしれません。

      昨今、せっかく会社に入ったのに、会社の方針についていけない、仕事が合わないといった理由ですぐに辞めていく新人が多いことから、研修内容を工夫する会社が増えてきています。

      いわゆる「座学」と呼ばれる、講師が話をし、それを聞くというスタイルを取るところが一般的には多く見受けられますが、ユニークな内容を採り入れている企業も増えてきていますので、少しご紹介をしたいと思います。

      例えば、新入社員全員で野菜を育てさせ、長い道のりをひたすら歩くウォーキングを行っている企業もあります。
      クリアすべき条件は、野菜づくりなら最後まで終えることであり、ウォーキングでは一人の落伍者も出さないことといった具合です。

      こうした研修に共通するのは体を動かし、共に協力しないと達成できないとうことです。

      さらに野菜づくりでは誰が率先して動き、誰がうまく立ち回っているかがわかるという面もあり、配属先を決めるのに役立てている人事担当者もいるようです。

      ウォーキングでは、もうギブアップしたいとなったときに、自分が辞めたら他のみんなに迷惑がかかるから辞めるわけにはいかないという気持ちにさせることができます。

      仕事をするというのは、与えられた仕事を途中で投げ出すわけにはいかないことや、自分以外の誰かが代わりにやってくれることはないのだという、仕事人間としての自覚を生むことにも繋がります。

      新入社員研修で気を付けるべきポイントとは


      新入社員に何をさせるかによっては、その実施時期に注意が必要です。

      野菜を育てるとなると一定の期間が必要ですので、短期間で育つ野菜を選ぶなど、課題を提供する側にも考えるべき点は多数あります。

      ウォーキングを実施するのであれば、安全に歩けるルートの確保や、4月入社ということであれば、気温が高くなって熱中症にならない時期に行うことなどが重要になってきまうす。

      また、天候が悪い日は実施しないなど、安全を確保しながら行う必要がある内容の場合、万全を期すことが求められます。

      会社にとって、こうした経験をさせたのは成功だったと言えるのは、実際にそれぞれの人員を職場に配置し、そこで活躍していると判断できたときであり、それには時間を要します。

      とはいえ、SNSと呼ばれるソーシャルネットワーキングサービス上での繋がりは得意でどんどん深めていけるのに、現実世界での人付き合いは苦手なのが新人に共通する要素です。

      そんな彼らに、仕事をするには周囲の人との協調が不可欠なのだということを理解させるには、普段はしない体を動かすという経験から同期との繋がりを意識させた方が、案外効果的なのかもしれません。

      互いに助け合い、励ましあって野菜を育てひたすら歩くといった内容にすることで仲間意識が生まれれば、入社してすぐに辞めてしまう社員を抑制する効果にもつながりそうです。

      楽しい研修が生み出す効果とは


      全員で海外へ行かせ、グループごとに分かれて行動させ、全員でバーベキューをするといった方法で、会社に入って初めて経験することが楽しいと思わせる内容にしている会社もあります。

      それぞれの配属先へ散らばっていく前に、同期と楽しい経験をさせることによって、この会社を選んで良かったと思わせる、あるいはつらいことがあっても相談できる同期を持てることで、乗り越えられる可能性が生まれると思われます。

      海外に行くにしろ、バーベキューをするにしろ、その中で自然と役割分担が決まり、それがスムーズに機能するならば、会社としてはそれぞれの新人が選んだ役割に見合った場所へ配属ができます。

      人事担当者がもっとも見極めたいポイントとしては、積極的に動くのは誰かということと同時に、何もしないのは誰かということでしょう。

      配属先を決定するのが難しいのは、後者の何もしない人であることは想像に難くなく、周りの人たちがそれぞれ自分の仕事を分担して受け持っている中、海外でのグループ行動でただ付いていくだけの場合やバーベキューでは出来上がったところを食べるだけという性格の人をどこに配置してどう使いこなすかが、人事担当者の腕の見せ所と言えそうです。

      まとめ


      新入社員を教育する期間は、どのような性格や適性を持っているかを人事担当者が判断できるという要素もあります。

      そのため、これまで定番だったスタイルをあえて辞め、ユニークな方法で新人の特徴をつかみ、配属先を決める会社も増えているのが近年の特徴です。

      研修成功のポイントは、飽きさせず、やる気を失わせない内容を人事担当者が考えて用意することかもしれません。


      2018年11月

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